旅の途中での贅沢な時間を満喫!新幹線&駅弁完全ガイドブック

全国の物産

旅行中、新幹線での移動や駅弁は旅の楽しみの1つですよね。

でも、せっかくの贅沢な時間を過ごすためには、どのような駅弁を選べばいいのか、どこで買えばいいのか、迷ってしまうこともあります。

そこで、この記事では旅の途中での贅沢な時間を満喫するために必要な情報をまとめました。

ぜひ、新幹線&駅弁完全ガイドブックとしてご活用ください。

新幹線路線図

現在、新幹線の路線は、北は「新函館北斗駅」から、南は「鹿児島中央駅」までを結んでいます。

北海道新幹線の新函館北斗~札幌間は2030年に開業予定となっており、金沢~敦賀間が2024年に開業予定となっています。

九州新幹線の武雄温泉~長崎間は2022年9月23日に開業されました。

九州新幹線も新ルート建設が計画されていますが、既存の在来線特急が走る新鳥栖~武雄温泉間において、佐賀県との利害調整が現在も難航している状況です。

この九州新幹線の利害調整については、記事の最後に記載しています。

北海道新幹線

北海道新幹線を走行する車種としては「H5系」「E5系」の2種類があります。

実は、2011年に東北新幹線はやぶさとしてデビューした「E5系」(JR東日本が所有)と、それをベースに北海道新幹線開業にあわせてデビューした「H5系」(JR北海道が所有)の2系統があるのです。

外観形状やメインカラーは一緒ですが、実は、帯の色とロゴマークが異なります。

帯が紫で北海道のロゴマークの方が 「H5系」、 帯がピンク色でハヤブサのロゴマークの方が 「E5系」です。

車両名としては「はやぶさ」と「はやて」の2つで、その違いは宇都宮〜盛岡間で320km/h運転をするかどうかです。

最高速度320km/h運転をする「はやぶさ」は加算料金が設定されています。

北海道新幹線の列車名決定 シンボルマークは「北海道の雄大さ」と「シロハヤブサ」がモチーフ | 乗りものニュース- (2)
上がH5、下がE5

駅弁情報

函館海鮮かにいくら弁当(1,280円)

こぼれんばかりのイクラと、ズワイガニのむき身、フレーク、そしてカニ味噌がのった、カニ好きでイクラ好きには贅沢でたまらない駅弁です。

海鮮雲丹めし(1,500円)

北海道米に北海道産ムラサキウニを炊き込んだ、潮の香り豊かな雲丹めしが主役です。

高級食材の北海道産バフンウニやイクラの醤油漬け、蝦夷アワビの酒蒸し、紅ズワイガニの酒蒸しと、海の幸を豪華に盛り付けられています。

ちょっと贅沢な弁当にふさわしい巾着のパッケージは、旅のお供やお土産にもぴったりです。

大玉ほたてと大漁ウニ弁当(1,780円)

折に詰めたご飯に秘伝のたれで味付けしたウニをこれでもかというほどに盛り付け、中央に特大サイズの北海道産ホタテを存在感たっぷりに配しています。

東北新幹線

東北新幹線には「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」「なすの」の4つの列車種別があります。

「やまびこ」は東京〜仙台〜盛岡間の運転、「なすの」は東京〜郡山間の運転であり、E2系がその役割を担っています。

E2系
E2系

それに加えて、山形新幹線直通の「つばさ」秋田新幹線直通の「こまち」も加わり、計6つの列車種別です。

車両はE6系(こまち)、E5/H5系(はやぶさ・はやて)、E3系(つばさ)、E2系(やまびこ)の4種類が走ります。

駅弁情報

網焼き 牛たん弁当(1,480円)

紐を引き抜いて蒸気で温めるタイプの「加熱式容器」を用いた駅弁です。紐を引き抜く音とシューッという蒸気の音があちこちから聞こえてきて、やがていい香りが辺りに漂ってきます。

平泉うにごはん(1,200円)

特製の醤油ベース出汁で煮込んだ蒸しウニと、プリプリ食感で楽しませてくれる大いなる脇役のイクラと紫蘇若布が絶品です。

ひとくちだらけ(1,350円)

津軽地方の郷土料理、名産を中心に青森県の味をひとくちづつ24種類集めた、欲張りでワガママなお弁当です。

秋田新幹線

「E6系」は2013年に登場した秋田新幹線直通の車両です。

秋田新幹線直通の「こまち」に主に使われ、一部の「はやぶさ」「やまびこ」「なすの」にも用いられます。

7両編成で、E5系10両と併結して運転することが多いです。

E5系10両と併結して運転することが多いのは、盛岡で秋田行きと新青森行き車両を切り離すからです。

「E6系」 は在来線を走って秋田へ、「E5系」は新幹線規格の線路で新青森へと向かいます。

※E6系のような在来線を走れる新幹線をミニ新幹線と言います。詳細は九州新幹線で後述。

最高速度は320km/hです。

駅弁情報

鶏めし弁当(920円)

愛され続けて70有余年、奥羽本線・大館駅の駅弁「鶏めし弁当」。秘伝のスープで炊き込んだご飯と、国産鶏もも肉の甘辛煮は相性抜群です。

特製 牛めし(1,100円)

関根屋の創業当時から販売されている最も歴史のある秋田駅の名物駅弁です。牛肉と糸こんにゃくを秘伝のスープでじっくりと煮込み、あきたこまち米の白飯の上にのせました。 変わらぬ味で地元でのリピーターが多く、店舗販売数量No1を誇ります。

山形新幹線

「E3系」は1997年に登場した山形・秋田新幹線直通用の車両です。

現在は秋田新幹線では使われておらず、山形新幹線「つばさ」に主に使われ、一部の「やまびこ」「なすの」にも用いられます

6両編成で、 E2系10両と併結して運転することが多いです。

E2系10両と併結して運転することが多いのは、福島で新庄行きと盛岡方面行き車両を切り離すからです。

最高速度は275km/hです。

駅弁情報

牛肉どまん中(1,350円)

山形県産米「どまんなか」をふっくら炊き上げ、その上に特製のタレで味付けした牛そぼろと牛肉煮をのせた牛丼風のお弁当です。

山形牛牛めし弁当(1,280円)

山形の大自然と人情が育んだ山形牛を、創業当時の味を守り抜くもりべん伝統のタレでじっくりと煮込んだ牛肉煮とそぼろをご堪能下さい。

上越新幹線

上越新幹線には「とき」「たにがわ」の2つの列車種別があります。

車両は、「E7系」、「E4系」、「E2系」の3種類が走ります。

E7系による“とき”運転開始|鉄道ニュース|2019年3月16日掲載|鉄道ファン・railf.jp
E7系

「E7系」は2014年に登場した車両で、上越新幹線では2019年3月ダイヤ改正から使用されています。

12両編成で、最高速度は240km/hですが、2023年春より最高速度275km/hで運転する予定です。

上越新幹線 E4系 1/2 | 新幹線/Shinkansen
E4系

「E4系」は2001年に登場したオール2階建て新幹線車両です。

この車両を使う列車名は「Max」がつけられ、「Maxとき」「Maxたにがわ」という名称になります。

1号車〜3号車の2階席は3列×3列の窮屈な座席配置で、自由席に使われます。

自由席でも他の車両や1階席は通常の3列×2列の座席配置です。

8両編成で、2つつなげて16両で運転する場合もあります。

最高速度は240km/hです。

2021年10月1日、オール2階建て新幹線のE4系「Max」が定期運転を終了しました。

E2系
E2系

「E2系」は、東北新幹線の「やまびこ」「なすの」でも使われていましたが、上越新幹線では「とき」「たにがわ」のいずれでも使われています。

駅弁情報

えび千両ちらし(1,350円)

新潟産米を使用した寿司飯の上にうなぎ、コハダ、イカ、エビをのせ、さらに厚焼玉子で全体を覆い、彩りに自家製エビそぼろをトッピングしました。

雪だるま弁当(1,200円)

淡い味付け鶏の照り焼きは、鶏肉の美味しさをダイレクトに感じることができます。肉団子、数の子もご飯との相性抜群です。

北陸新幹線

北陸新幹線は1997年に東京~長野間が「長野新幹線」として部分開業しました。

この車両を使う列車名は「あさま」「かがやき」「はくたか」「つるぎ」です。

2015年には長野 – 金沢間が開業し、「E7系」が東京~金沢間を結んでいます。

走行区間愛称
東京~長野あさま
東京~金沢かがやき、はくたか
富山~金沢つるぎ

JR東日本とJR西日本の共同開発による新幹線であるため、

「E7系」「W7系」があります。

E7系はJR東日本W7系はJR西日本保有の新幹線です。

インテリアや基本性能は同じですがロゴが少しだけ違います

E7系とW7系の違いは・・・ : BLOG OF Y's

駅弁情報

峠の釜飯(1,800円)

ご飯と一緒に入っている鶏肉、クリ、ゴボウ、うずらの卵のほか、計10種類の食材は全て無添加で調理されています

ますのすし(1,400円)

北陸の海の素材の魅力を余すところなく引き出しているばかりか、製法や調味料だけでなくパッケージに使用する竹に至るまで厳選しています。

かにすし(1,250円)

リンゴ酢でしめた日本海産のベニズワイガニの棒肉と、霊峰白山の清水から作る米酢と石川県産コシヒカリを使ったすし飯と合わせた駅弁です。

焼き鯖寿し(1,100円)

焼いた鯖の切り身1枚がまるごとシャリの上に乗っているシンプルですが贅沢な駅弁です。鯖とシャリの間には、煮椎茸と生姜が挟んであるこだわりの逸品です。

東海道新幹線

東海道新幹線では、「のぞみ」「ひかり」「こだま」の3つの列車種別がありますが、車両の違いはありません。

「のぞみ」に古いタイプの車両が使われることもありますし、「こだま」に最新車両が使われることもあります。

ただ、定期列車の「のぞみ」には新型車両が使われることが多いです。

東海道新幹線に使われている車両はN700系と700系です。

N700系の新型としてN700Aというタイプもあります。

また、2020年7月に営業運転を開始した最新型車両N700Sもあります。

700系

ありがとう700系 デビュー時は賛否が分かれたそのスタイル - 鉄道コム
700系

「700系」は1999年にデビューした東海道・山陽新幹線の第四世代の車両です。以前の300系に比べると乗り心地が大幅に改善されました。最高速度は285km/hです。

N700系

のぞみ N700系:JRおでかけネット
N700系

「N700系」は2007年にデビューした東海道・山陽新幹線の第五世代の車両です。公衆無線LANを装備しており、最高速度は285km/hです。「N700A」には、厳密に言うと2つの車両があります。車体側面のロゴが、巨大なAのデザインとなっている車両が、製造段階からN700Aとして製造された車両です。ロゴに小さくAが入っている車両が、後から改造された通称「スモールA」です。

新幹線N700A(東海道新幹線) |アルナ輸送機用品株式会社|岐阜県養老郡養老町
N700A
N700スモールA : Msykの業務(鉄道)日誌
通称スモールA

N700S

営業デビュー、新型新幹線「N700S」の乗り心地 | 新幹線 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
N700S

「N700S」は、 2020年7月に営業運転を開始した最新型車両で、先頭部に空力・静音性能を向上させた「デュアルスプリームウイング形状」を採用しています。先頭車両とパンタグラフ搭載車、そしてグリーン車には、小型モーターと油圧ポンプが揺れを打ち消す“フルアクティブ制振制御装置”を搭載し、乗り心地を向上しています。

駅弁情報

ひつまぶし弁当(1,680円)

ウナギのタレの炊き込みご飯の上に、愛知の一色産ウナギの蒲焼、錦糸卵が彩り豊かに散りばめられています。はじめは、そのまま蒲焼の味を楽しみ、次にわさび・海苔・山椒などの薬味をかけて、最後は付属のダシをかけていただきます。1度に3つの味の変化が楽しめる、ひつまぶしの魅力が詰まったお弁当です。

だるまのみそかつえびヒレ重(1,005円)

名古屋めしの代表「海老フライ」と「みそかつ」を白飯の上にのせたボリューム満点のお弁当です。海老フライとヒレかつは、だるま特製の味噌ダレをたっぷり染み込ませ、濃いめの味付けに。添えられている半熟卵をからめると、マイルドな味わいになり、味の変化も楽しめます。

ひっぱりだこ飯(1,200円)

真だこと穴子、そして季節の野菜が、蛸漁に使用する蛸壺風の陶器に盛り付けられているとってもユニークな駅弁です。味と陶器の容器、両方でお楽しみいただけるお馴染みのお弁当です。

鯛ちらし(2,916円)

京料亭の味をおもたせに仕立てる名店「紫野 和久傳(むらさきの わくでん)」。「鯛ちらし」は、鯛の薄造りを敷き詰めた人気のちらし寿司です。昆布〆した鯛に、まろやか風味の醤油が香るさっぱりとした酢飯を合わせた料亭の味。付け合わせは、四季を感じさせる季節の炊き合わせが彩華やかに盛り込

山陽新幹線

山陽新幹線では、「のぞみ」「ひかり」「こだま」「みずほ」「さくら」の、5つの列車種別があります。

東海道新幹線に直通する「のぞみ」「ひかり」は全て16両編成で、N700系か700系です。

東海道新幹線に直通しない列車は8両編成が基本で、N700系と700系です。

ひかりレールスター 700系:JRおでかけネット
レールスター

そして、700系のうち、8両編成の車両は「レールスター」という愛称で呼ばれています

現在はおもに「こだま号」で運用されており、最高速度は285km/hです。

新幹線500系 こだまの車内、座席、お得な乗り方を解説します。山陽新幹線の新大阪から博多間で運行しており、指定席が快適【乗車記】|のぞみは西へ、みずほは九州へ
500系

「500系(8両編成)」は1997年にデビューした東海道・山陽新幹線の車両です。

JR西日本の独自開発で、営業速度300km/hを国内で初めて実現した車両です。

現在は「のぞみ」の運用からは外れていて、山陽新幹線の「こだま」で8両編成で運用されています。

現在の最高時速は285km/hです。

駅弁情報

お好み焼き風豚玉めし(900円)

広島のお好み焼きの見た目の卵の下には、キャベツと豚肉、そして独自の味付けソースチャーハンが重なります。ジャンクな暴力的な旨さをご堪能あれ。

しゃもじかきめし(1,200円)

しゃもじかきめしは、日本一のカキの産地「広島」ならではの磯の香りが漂う、カキ三昧のお弁当です。ぷりぷりのカキの身をたっぷりと炊き込んだ「カキめし」、ジューシーな味わいを堪能できる「カキフライ」、そして上質な和の味覚の「カキ身のゆず味噌和え」が絶品です。

九州新幹線

九州新幹線では、N700系と800系の2種類の車両が使用されています。

「N700系S・R編成」は、N700系をベースに開発された山陽・九州新幹線用の8両編成の車両で、「みずほ」「さくら」「つばめ」と九州新幹線で運行されているすべての列車に使用されています。

JR九州 N700系8000番台|形式別記事一覧|鉄道ファン・railf.jp
九州新幹線のn700系

「800系」は2004(平成16)年3月に、新八代駅〜鹿児島中央駅間が部分開業した際に登場した九州新幹線専用車両です。

現在は「つばめ」と博多駅〜鹿児島中央駅間の「さくら」に使用されています。

山陽新幹線の700系E編成「ひかりレールスター」をベースに開発され、現在は6両編成8本が在籍しています。

部分開業時に登場した0番代(U001〜U006編成)と、全線開業時に増備された1000・2000番代、通称新800系(U007〜U009編成)とでデザインが異なるのも特徴です。

新800系は車体側面のラインが曲線を描き、先頭部のライトカバーも立体的な造形になりました。

800系0番代
新800系

駅弁情報

かしわめし(880円)

折り箱の大部分を埋め尽くすかしわめしの上には、煮込んだ鶏肉のそぼろ、錦糸玉子、刻み海苔が敷き詰められています。そして、かしわめしの横には甘いうぐいす豆、奈良漬け、しそ昆布、紅生姜が盛り付けられています。

厚切り黒豚角煮めし(1,280円)

特製ダレで煮込んだ厚切りの黒豚がとってもジューシーです。出荷証明書付きの鹿児島産黒豚を特製タレでコトコト煮込んだ柔らかな角煮に箸が止まらない。煮卵と団子も付いたがっつり弁当です。

あか牛丼ミニ弁当(1,180円)

阿蘇・くまもとの自然で育つ名産「あか牛」は、脂が少なく旨味が凝縮した柔らかな赤身が特長。赤身の旨味がたまらない阿蘇名物「あか牛丼」を再現した温玉付きの豪華弁当です。

西九州新幹線

西九州新幹線は、武雄温泉・長崎間の約66kmをフル規格(標準軌)により整備し、武雄温泉駅で博多・武雄温泉間を運行する在来線特急列車と、同じホームで乗換を行う「対面乗換方式」により運行を開始しました。

最新型のN700Sをベースとした新幹線「かもめ」は、佐賀県の武雄温泉駅と長崎駅の間約66キロの距離を最高速度時速260km/hで走行します。

昭和48年に「整備計画」が決定された、九州新幹線西九州ルート(福岡市・長崎市間)のうちの、武雄温泉~長崎間の路線名称を西九州新幹線と言います

JR九州によって長崎ルート(西九州ルート)が延伸される計画が進行中です。

九州新幹線西九州ルートは、福岡市と長崎市を結ぶ整備新幹線であり、博多(福岡)―新鳥栖(佐賀)間は九州新幹線の鹿児島ルートと線路を共用するため、実際の計画区間は新鳥栖―長崎間になります。

全線フル規格概要

フル規格新幹線とは

フル新幹線、ミニ新幹線の比較図

一般的な在来線の線路幅1,067ミリに対して、新幹線の線路幅は1,435ミリ(標準軌)と広くなっています。また、高架橋やトンネルが多く、踏切がないため、高速で安定した走行が可能であり、定時性・安定性に優れています。九州新幹線(鹿児島ルート)をはじめ、山陽新幹線、東海道新幹線など、全国のほとんどの新幹線がこの規格です。在来線車両(幅3,000mm)と比較して、車両も大きい(幅3,400mm)ため、旅客輸送にも優れており、最大5列の座席配置が可能です。

ミニ新幹線とは

単線並列と複線三線軌
ミニ新幹線の線路方式/画像は国土交通省

ミニ新幹線は、在来線区間の狭いレール幅(狭軌)を、新幹線幅(標準軌)に広げることで、 標準軌のミニ新幹線と在来線車両の同時運行が可能にできる方式です。 そして、新幹線区間と「アプローチ線」と呼ばれる線路で結び、乗り換えなしに同じ車両で直通走行できるようにしています。走るのは、特急サイズの車体に新幹線幅の車輪を付けた特別な車両です。在来線のトンネルやプラットホームをそのまま使用するため、車両の幅は在来線の特急車両と同じ幅になります(幅3,000mm)。そして、在来線区間は特急列車として運行するため、最高速度は時速130km/hの制限があります。山形新幹線「つばさ」と秋田新幹線「こまち」で運行されています。山形新幹線区間にあたる福島~新庄間と、秋田新幹線区間にあたる盛岡~大曲~秋田間では、「つばさ」「こまち」のほかに普通列車が運行されています。このうち、秋田新幹線の大曲~秋田間は、従来の狭軌(1067ミリ)とミニ新幹線用の標準軌(1435ミリ)が、それぞれ単線で並ぶ「単線並列」という方式が取られており、「こまち」と狭軌用の列車が並んで走ることもあります。一部区間は線路が3本引かれた三線軌、それ以外の区間では専用の標準軌電車の出番となるというわけです。

長崎新幹線の問題点

ミニ新幹線の線路方式/画像は国土交通省

そもそも、長崎新幹線の整備はフリーゲージトレインを前提として進められていました。フリーゲージトレインとは、車体の左右の車輪の間隔を伸縮させるというもので、既存の線路やホームの改修が必要ない方式でした。しかし、フリーゲージトレインの実装が間に合わないため、長崎新幹線は2022年度に武雄温泉~長崎間でフル規格新幹線として開業し、博多~武雄温泉間の在来線特急と同じホームで乗り換える「リレー方式」となっていました。このリレー方式では、博多―長崎間の所要時間は20分ほど短縮されますが、乗り換えの手間が増えるし、新幹線の整備による利便性向上効果が薄れてしまうという問題点がありました。だからこそ、その次の段階として、25年度までにフリーゲージトレインを導入し、博多~長崎間を直通、乗り換えなしとする計画だったのです。ところが、フリーゲージトレインの実用化には課題が多く、JR九州は導入困難と意思表明しました。JR九州が「現時点のフリーゲージトレインの導入困難」とした理由は維持費にあります。フリーゲージトレインは複雑な機構の台車を使用するため、整備点検に手間が掛かり、車軸の摩耗が早く、車両の耐用年数までに10回以上の交換が必要になるのです。そのため、国土交通省の検討結果では、一般の新幹線車両の約2.3倍のコスト(年間維持費用が50億円増加)になるという試算が出たのです。これを機に国や長崎県、JR九州は、長崎ルートの全線フル規格整備を考えるようになったのです。フリーゲージトレインで在来線を走るはずだった新鳥栖―武雄温泉間も、フル規格の新幹線を建設する路線へ変更したというわけです。

しかし、これに佐賀県は強く反発しました。未着工の新鳥栖―武雄温泉間はすべて佐賀県内であり、ホームやトンネルの壁などの改修も合わせた建設費は約5300億円と見積もられています。現在の財源スキームでは、建設費の地元負担分(JRが支払う線路使用料を除いた分の3分の1)も、佐賀県がすべて拠出しなければならなくなるのです。これに加えて、佐賀と福岡の距離は短く、現状の在来線特急でも比較的短い時間で移動できます。佐賀県にとってフル規格化は、膨大な費用がかかる割にメリットが小さいということなのです。こうしたこともあって佐賀県は環境影響評価の手続きに入ることも拒否しており、着工のメドが立たない状態になってしまっているのです。佐賀県はフル規格化だけでなく、在来線の線路を改修する必要があるミニ新幹線化にも、反対している状況が続いています。

駅弁情報

特製ふたつ星弁当(1,800円)

武雄でイチオシの佐賀牛弁当で有名なカイロ堂が「ふたつ星」のために作った、佐賀牛の深い味わいを堪能できる贅沢な二段重弁当です。

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